フロンティア絶好調!ようこそ!日本三大開拓地、矢吹町へ

FRONTIERS

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芳賀 誠司さん
農家
「パクチー」の新規就農で、
栽培から販売までを開拓した夫婦の挑戦!

香味野菜「パクチー」の栽培を始める前は、東京でサラリーマンをしていました。営業職でさまざまな人間関係でストレスが溜まる一方の生活でしたね。そんな日々で、自分の時間を大切にしながら生活したいという思いは強まっていきました。農作業はど素人でしたが、Uターンで農業を始めることにしたんです。最初は露地でホウレンソウをしていましたが、親父が他から頼まれて一回作っていたパクチーを思い出し、需要が伸びると感じて栽培を始めました。

現在は夫婦で作業をこなしています。忙しいは忙しいけど自分の時間を工夫次第で作れることが魅力です。周辺でパクチーを栽培している人はいないので、肥料や生育法など試行錯誤しましたね。誰も取り組んでいない分、栽培から販売まで自分の努力次第で可能性は広がることが魅力です。

 

高温多湿なアジアで栽培される印象が強い野菜だけど、夏の暑さなど急激な環境変化に弱いんです。花がついてしまったものは食用に適さないし、雨が多くても食用の柔らかい葉が溶けてしまい、商品にはなりません。14年間パクチーの栽培を続けていますが、肥料の種類や量など同じことは一度もしていませんね。日々変化する環境に苦心しています。パクチーは、柔らかい葉を生で食べるのが一般的ですが、実は捨てるところがないんです。固い茎の部分は天ぷらも美味しいし、根っこはいい出汁が取れるんですよ。種は乾燥させればコリアンダーですしね。現在は首都圏への出荷が主ですが、もっと地元や東北の方にも食べてもらいたいですね。食べ慣れれば、その風味にハマると思います。

パクチーの認知度も上がり始めた矢先に、震災の風評被害がありました。そういう時こそ営業だと思って、いろいろ営業に回りました。販路開拓も小回りが利く分、自分がいいと思った方向性が試せますしね。お陰様で、東京の市場にも納品しています。品質を認めてくれて商売ができるのは、うれしいことです。

農作業は最初ひとりでやると啖呵を切ったけど、結局初めて2ヵ月で妻に手伝ってもらっています(笑)。二人で作業をすると三人分の仕事量がこなせるんですよね。東京出身の妻は、移住する時は自分が農作業をするとは思ってなかったようです(笑)。本当に感謝です。生活できる農業をしながら、自分の時間が持てる今の生活は、移住時の想いが叶っていると思います。