フロンティア絶好調!ようこそ!日本三大開拓地、矢吹町へ

FRONTIERS

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長島 孝行さん
東京農業大学教授
矢吹の米を愛する「田んぼの学校」の
特別講師に“矢吹の魅力”を聞いてみました。

まず大ニュースがあります。四年目の今年、田んぼの学校の水田に、カブトエビの定着が確認されました。この田んぼは水温が低く、今まで定着が確認できなかったのですが、水温が保てる池を作ったことで確認できました。これも学生たちが、矢吹のことを地元の方に教えてもらい、工夫を重ねた成果だと思います。

中にはコミュニケーションが苦手で、大人としゃべるのが怖いと言う子どももいます。でも、大学生がいることで、大人と子どもの橋渡しができるんです。学生も、矢吹や田んぼに関わるにつれ、幅広い年代の地元の方と関係を築くのが、楽しいと感じているのでしょう。

カブトエビの卵は、百年以上経っても孵化します。卵が長期間休眠することを「クリプトビオシス」というのですが、春に学生が子どもたちに教えていた事を今回覚えていてくて、学生が驚いて喜んでいましたよ。

子どもたちにとっては、学生は生物の先生かもしれませんが、学生たちは田んぼで幅広い世代から人生の授業を受けているのです。この田圃の土壌のように、人が沢山かかわることで、人間関係も年々豊かになるといいですね。

私は子どもの頃にカブトエビに出会い、何てかっこいい形なんだと感動したのが、研究の道に進むきっかけでした。この授業を通して、矢吹の子どもたちにも発見の感覚を味わって欲しいなぁと思っています。

田んぼで出会える生物は年々多くなっているので、生物が住みやすい環境になってきているんですね。矢吹での米作りは、厳しい取決めのあるJAS有機栽培の認定を受けている農家さんも多いと聞いています。カブトエビは環境に影響を与えない生物です。ゆくゆくは、有機栽培の一助になってくれれば嬉しいですね。

これからは食や環境に深くかかわる生物化学が、もっと重要視されてくるでしょう。矢吹の子どもたちが研究の研究へ進み、ノーベル賞受賞者が出たら面白いじゃないですか。カブトエビの卵のように、子ども可能性がいつか孵化するように、見守りたいです。