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FRONTIERS

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野菜経営学科のみなさん
アグリカレッジ福島
JGAP認証への厳しさと喜び。
野菜も若者もたくましく育つ学び舎!
 

アグリカレッジ福島(福島県農業総合センター 農業短期大学校)は、農畜の実践的な技術を身に付けられる場として、学生たちが日々汗を流している。野菜をを扱う野菜経営学科では、2018年5月に促成栽培のトマトで、農産物や農作業の安全性を管理するJGAP(農業生産工程管理)を取得した。

在校生は家業が農家でない非農家が半数以上を占めています。かつては出身校も農業課程がある高校が圧倒的に多かったのですが、普通課程出身も増えています。入学時は鍬など農機具を触ったことのない学生も多くなってきていますね。それでも卒業時には、野菜栽培のエキスパートになれるので安心してください(笑)。

私たちの学校の特徴は、何と言ってもこの恵まれた実習環境です。学生たちは2年間で福島県の主力野菜であるキュウリやトマトをはじめとした30品目以上の野菜を栽培することになります。また、大規模な環境制御型のビニールハウスなど最新設備に触れられるのも大きな経験になると思います。そんな農業技術の習得と一緒に、経営面でのノウハウも学んで欲しいと考えています。

今回取り組んだJGAPの認証取得は、栽培した野菜への付加価値のつけ方、そして認証を受けるまでの工程を身を持って実感して欲しいという狙いもありました。また将来、認証を取得している農業法人などに就職した時も、即戦力として働けますからね。これからの農業には必要な視点です。

JGAPには、昨年9月から認証機関のアドバイスをいただきながら取り組んでいました。実に100以上の項目をひとつずつ改善していく地道な作業になります。基本は「整理整頓」です。例えば農機具、資材、農薬は区分けして管理するなど、作業で起こりうるリスクを環境から防止していこうというものなんです。農機具と休憩所が混在していた資材置き場を学生と整理するのは大変でした(笑)。

学生が環境整備をすることで、座学だけでなく体験として作業の効率化や自分自身の身を守る安全な作業を実感できたことは大きいと思います。現状はトマトのみの認証ですが、チェック項目は野菜全般に共通するものです。状況が整えば、キュウリやナスにも取り組むことができます。

福島県ではGAP認証取得の日本一を目指しています。今回、教育機関である私たちの取り組みを、若手の普及指導員や農家の方が視察に訪れています。この学校が福島県のGAP認証の研修拠点の役割を果たせればいいですね。認証取得後も2年に1回の更新監査など、継続には多くの労力を割かなくてはなりません。全ての項目でなくても、いい部分を取り入れたり今までの環境や作業を検証するにはいい機会だと思います。若者もベテランも、安心安全な野菜作りは共通の目標ですからね。