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FRONTIERS

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坂路 充さん
農家
JA・農家が二人三脚で掴んだ
県内初のJGAP認証取得!

濃厚な甘味が人気のフルーツトマト「旬太郎」。旬太郎を栽培する三神支店管内の農家団体「TCトマト班」とJA夢みなみ三神支店が協力して、2018年2月に県内初で団体JGAP認証を取得。その陰には農家とJAの間で長年築かれた信頼がありました。

食料のJGAP認証は、2020年に向けたオリンピック・パラリンピックの選手村での使用食材の要件になるなど、国内外の品質保証として広がりを見せている。しかし、150項目にわたる審査項目や定期的な監査など、認証を取得して継続するのは並大抵のことではない。JA夢みなみ三神支店(以下JA)の井上さんとトマト生産団体の班長である坂路さんは、今後も続けて行くという。

井上「JGAP認証は規定が細かく、認証の環境まで短期間で整備するのは難しいのです。私たちは、安心安全な農業を目指して20年前から独自の栽培防除日誌(作業日誌)を農家さんに取り組んでいてもらっていました。さらに震災後に第三者が確認できる安全確認チェックシートを活用してきた経緯があるんです。JGAPが求める環境に、結果的には長年取り組んでいた形になっていました。」

坂路「JGAP認証の話は、ちょくちょく反省会などの集まりで出ていたんです。正直、すぐ売上には効果はないだろうと思っていました。けれど井上さんの話のように、環境保全については長年しっかりやってきた自負はありました。『あそこは取り組みが早かったね』という外の評価、そして今まで取り組んできたことの再確認の意味はあると思います。」

井上「確かに高値で売れるかは、約束できないと準備段階ではっきり言っていましたね(笑)。各専門指導員が農家さんと積み上げてきた関係がありましたから、丁寧に説明しながら認証に向け準備を進めました。」

JAと農家は二人三脚で、2017年から専門の指導機関やJGAP指導員(JA職員)による指導・助言を受け、安全面や労働環境面の危険リスクなどを確認。生産工程を明確にし、農薬使用時などの安全面などの改善を取り組み、審査機関による審査を受け今年3月にJGAP認証を受けた。これから認証を継続することが大変だと両氏は言う。

井上「私たちJAの役割は、情報提供、安全確保、販売協力なんです。やはり技術的には、農家さんに背伸びしても勝てないですからね。先程お話しした日誌の改良をはじめ各農家との調整は、私たちが先駆けて農家さんに働きかけることで、技術向上の助けにはなっていると思っています。」

坂路「JAさんからの説明会では、認証は機械製造業のISO(国際基準化機構)取得と同じで、地続きのヨーロッパでの食品流通の基準作りから出発していることを教えてもらいました。今まで自分たちが大切にしてきたことと、合致していることよく分かりましたね。」

井上「トマトを例にとっても、ハウスの温度自動管理など技術は大きく進歩しています。技術は進んでも変わらないのは、作物を見ながら農家さんと会話できる文化だと思います。だからこそ、選果場などのJAの施設は責任を持って管理しますから、圃場の管理はお願いしますと任せられるのです。」

坂路「トマト班の中でもJGAPに取り組む目的や温度差は、個々の農家で違います。JAさんが責任を持って支えてくれている以上、求められている要求は満たそうと、メンバー内で足並みは揃っていますね。」

井上「これからの目標は、まずは認証を継続できる環境を維持していくことです。それに尽きます。」

坂路「本当にその作業が、精いっぱいだね(笑)。」

井上「首都圏からも評価を得ているトマトですので、ゆくゆくは輸出も視野に入れた市場拡大まで持っていければいいですね。」