FRONTIERS
矢吹フロンティアーズ
“矢吹の甘いルビー”を召し上がれ!
矢吹町の農園でしか購入できないものの、完熟イチゴの極上の甘味に根強いファンが数多く訪れるウスバファームさん。
フワッと幸せを感じる、甘い香りが広がるビニールハウス。その中で作業する薄葉さんは、矢吹のイチゴ栽培の第一人者ともいえる存在である。今では町内外に多くのファンを持つ薄葉さんのイチゴだが、そこに至るまでは困難な道から始まる。東京の大学を卒業後、イチゴの一大産地としても有名な栃木の農家に住み込み、厳しい修行の中で栽培法を学びました。
しかし満を持して矢吹でイチゴ作りを始めるも、質、量ともに納得できるイチゴは収穫できませんでした。試行錯誤を続ける辛い日々が、なんと5年も続きます。
薄葉「冬の日照時間がイチゴの品質に大きなポイントとなるのですが、日照時間の長い栃木で習ってきたノウハウは、矢吹に当てはまらなかったんです。なかなかおもうようにはいかず、何度も辞めようと思いましたよ(笑)」
毎年改良を重ねる各作業や、数えきれないほどの試作品を経て今の味にたどり着きます。そのみずみずしい甘味は、多くのリピーターに支持され、ほぼ顧客注文で販売していて、市場には出回らないほど。SNSなどで更に広く宣伝に力を入れるよりは、毎年待っていてくれるお客様に、確実にいい物を届けたいという思いが強いという。
薄葉「毎年買っていただけるお客様から、また美味しくなったねと言われるのが自信になるし、うれしいですね。」
ミツバチでの自然受粉にこだわり、日照時間を調節するために睡眠時間を削りながら、ハウス内に設置する電灯の消灯時間を調整する。そんなデリケートな作業の積み重ねを経て、矢吹の甘いルビーは、日に日に輝きを増します。
薄葉「作業はもちろんですが、苗の植え付けから味が変わります。苗を植え付ける時からずっと、真剣勝負ですね。」
そんな地元の冬の味覚として定着しているイチゴですが、昨年はなかなか味わうことができませんでした。というのも連作障害で苗が病気にかかってしまい、イチゴが一番甘味を増す真冬に収穫が出来ない状態に。イチゴ栽培には付きもののアクシデントとは言え「心身ともに堪えた」と漏らす薄葉さん。今年は再起を賭けたシーズンになります。でも今回の出来事で、落ち着いて今までを見直す機会ができたと言います。
薄葉「イチゴの苗を分けてもらうために、県内外のいろいろな農家さんを回ることになり、改めてイチゴ作りの勉強になりました。今までは自分の仕事に追われて周りを見る機会も余裕もなかったから。周囲の人に支えられていることが気付かされましたね。」
納得するイチゴを求め、試行錯誤していた原点に立ち返り、さらにグレードアップした薄葉ファームさんのイチゴに期待大です。
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