FRONTIERS
矢吹フロンティアーズ
柔かくジューシーな「イチジク」
アダムとイブが食べた禁断の実としても知られ、古来から栽培されてきたイチジク。じつは矢吹でも栽培されていて、秋には町内の農協直売所でも購入できるです。
大畑地区で稲作と兼業でイチジクを栽培している蛭田さんは、加工用のホワイトゼノや生食用の日本種とビオエ・ソリエスの3品種のイチジクを約100本ほど栽培してます。自宅で楽しむ程度にイチジクを育てる人は矢吹にも沢山いますが、お店に出荷する農産品としてイチジクを栽培する農家は、矢吹ではめずらしく、果樹が盛んな周辺の町でも、イチジク畑はあまり見かけない光景です。
そんな生産者の先輩や仲間が周りにいない中で、栽培を始めてから現在まで、試行錯誤しながら美味しいイチジクを追求しています。
蛭田「栽培技術は、本や農林事務所さんのアドバイスをもらいながら毎年工夫しています。もみ殻が土壌にいいかなと思って撒いたら、かえって木が枯れてしまったりね。田んぼ仕事が終わった後に、軽トラで何往復もしながら苦労して入れたんだけどなあ(笑)」
失敗も笑顔で話してくれる蛭田さんですが、日本種は土壌か気候か原因が定まらないうちに本数が激減。他の品種も全体的に育成が悪く、昨年までは効率のいい形に木を剪定できていませんでした。今年は青々と茂るイチジクの葉が風にそよぎ、まずは安心しているところだそうです。
イチジクの一番の大敵であるカミキリムシなどの害虫や熟すと実を狙ってくるカラスからも苦労して守った貴重な果実は、10月頃から完熟に近い状態で朝採りして出荷します。
熟れたイチジクの上品で濃厚な甘さは格別で、知る人ぞ知る隠れた秋の味覚として人気があります。また蛭田さんの農園では、農薬は極力使わない方針。完熟の果実を安心していただけるのも、うれしいポイントです。また今年からは、お米の苗床用のビニールハウスを利用して、シャインマスカットの栽培も開始。
蛭田「色々な作物栽培に挑戦するのが、私の楽しみなんです。今年から始めたブドウも、軌道に乗れば出荷したいと思います。」
東北では難しいとされている果樹でも、果敢に楽しみながらトライする蛭田さん。さすが自分の道を自分の力で切り拓く開拓の町矢吹の農家さんです。
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